氷河と湖の絶景巡り・マウントクックの魅力とは
ニュージーランド最高峰のマウント・クックをご存知ですか?
ユネスコ世界遺産「テ・ワヒポウナム」は、4つの国立公園からなる大きな世界遺産です。その中のひとつ、マウント・クック国立公園には、国内最高峰のマウント・クック、全長29kmのタスマン氷河、そして美しいブルーに輝くテカポ湖など、見どころがたくさんあります。
この場所は、広大な自然と迫力ある景色が魅力です。マウント・クックでは、初心者向けのハイキングコース「フッカーバレー・トラック」から、登山に挑戦できる本格的なルートまで、さまざまな体験が楽しめます。
また、空気が澄んだこの地域は、星空観賞にも最適です。マウント・クック国立公園は、暗い夜空を守るために『ダークスカイリザーブ』にも認定されており、夜には満天の星を楽しむことができます。私も宿泊施設のベランダからiPhoneを使って星空の写真が撮れました。

マウントクックへのアクセス
マウントクックへは、クライストチャーチ発やクイーンズタウン発のオプショナルツアーがあります。多くのツアーでは、テカポ湖を経由してマウントクックへ向かうため、移動中も美しい景色を楽しめます。しかし、これらのツアーは日帰りが多く、現地での滞在時間が短くなりがちです。たった2〜3時間の山歩きだけでは、マウントクックの大自然や魅力を十分に味わうことは難しいでしょう。
そこで、現地での宿泊をおすすめします。宿泊することで、ゆっくりと自然を楽しむ時間が確保でき、昼間の山歩きだけでなく、夜の満天の星空も堪能できます。また、往復のバスは事前に予約することが重要です。クライストチャーチやクイーンズタウンからの直通バスでスムーズに移動が可能です。以下では、往復のバスの手配方法について詳しく解説していきます。

直行バスのチケット購入 往路と復路は別々に購入
『マウントクック、直通バス』で検索するとクライストチャーチ出発とクイーンズタウン出発が出てきます。現地バス会社My Busのホームページから直接の購入も可能ですが、私は支払いの段階でなぜかエラーになったので、日本の旅行会社JTBから申込みをしました。少しわり高でしたが、日本語で申込ができて安心でした。以下のボタンからJTBサイトに飛びます。

クライストチャーチ出発 バス停の集合場所(街→山)
集合場所のバス停は、クライストチャーチの中心部にあります。出発前に、必ず場所を確認しておきましょう。私自身、ショッピングのついでに前日にバス停を見に行きました。バス停の背後にはバスターミナルの建物があり、天候が悪い場合でも中で待つことができます。
当日は、指定された屋外の場所で待っていると、バス会社のスタッフさんが私の名前を確認して、荷物をバスのトランクに運んでくれました。バスは集合時間通りに到着し、荷物がしっかり運ばれているのを確認してから車内に入りました。車内は自由席で、進行方向に向かう右側の席は景色がよく見えます。私は最初、反対側に座っていましたが、空いていたので途中で席を移動し、より良い景色を楽しむことができました。

クライストチャーチ出発 バスの運行時間
07:30頃 | 指定ホテル(*)にお迎え以外は クライストチャーチ バス インターチェンジ出発。 |
09:30頃 | ジェラルディン(休憩) ※朝食など買えるお土産店で休憩。(店内への食料持込は不可。) |
11:05頃 | テカポ着(休憩) 写真ストップ(善き羊飼いの教会) ※現地事情により立ち寄れない場合があります。 |
12:50頃 | マウントクック到着 |
(*)指定ホテルとは:クラウンプラザホテル、ディスティンクションホテル、スディマクライストチャーチシティホテル
交渉次第でホテル前で下車?
事前にバス会社と相談しておくと、エリア内であればホテルの前で下車できる場合があります。実際、行きのバスでは、他の乗客が相談していたおかげで、Haka Houseの前で下車することができました。
しかし、帰りのバスでは事前に交渉できなかったため、ハーミテージホテルまで約15分歩かなければなりませんでした。帰り便はバス停まで上り坂があり、荷物もあったので、15分歩くのはかなり大変でした。
マウントクック出発 バス停の集合場所(山→街)
マウントクック出発のバスは、ハーミテージホテルの裏側に停まります。ホテルの2階に上がると、バス停と直接つながっているので、バスが来るまでホテル2階のロビーで待つことができます。
時間になると、バス会社のスタッフさんが乗客の名前を確認し、荷物をトランクに運んでくれます。車内は自由席ですが、その時点で既に数名の乗客が乗っており、ハーミテージホテルの前に他のホテルから乗車できた人もいたようです。

マウントクック出発 バスの運行時間
14:25頃 | マウントクック発 YHAもご指定可能です。(出発時刻14:30) |
15:40頃 | テカポ |
17:00頃 | ジェラルディン |
19:20頃 | クライストチャーチ着 (ホテルにより到着時間が異なります、ホテル下車のお客様はご宿泊先を事前にお知らせください) |
20:05頃 | ※クライストチャーチ空港への到着をご希望の場合は、スディマエアポートホテルが最寄りの下車場所となります。 |
バスはテカポ湖で休憩(往復ともに立ち寄ります)
1行程の移動中には、休憩が2回あります。
1ヶ所目はトイレ休憩とカフェタイムで、軽食やお茶を楽しむ時間です。この間は皆さん同じ店内にいるので、同じバスの仲間を見失う心配はありません。ただし、集合時間などの案内は英語で行われるため、もし不安な場合は、同じバスに乗る人の服装を覚え、5〜6メートルの距離でその人の行く先をしっかり確認するとよいでしょう。
2ヶ所目の休憩はテカポ湖です。運転手さんは「観光に最適な場所で下車して、乗車は少し離れた場所になります」と説明していました。私自身は英語が苦手だったので、下車したバスを追いかけ、正しい停車場所を確認してから観光を始めました。
【注意点:バスの集合に迷わないために】 |
・バスの車体やナンバーの写真を撮影しておくと、後で確認できて安心です。 |
・観光バスが多い場合は、駐車場所の目印となる場所も写真に収めておきましょう。 |
・同じバスに乗る仲間の服装をいくつか覚えておくと、後で見つけやすくなります。 |
・同乗者の動きを少し離れた場所から確認しておくと、グループがばらばらになっても安心です。 |
・運転手さんはあまり歩き回らず、休憩していることが多いので、その動きを目印にしましょう。 |
・休憩場所での下車と乗車の位置が変わることがあるので、しっかり確認してください。 |

【写真解説↑】テカポ湖にある教会です。正面入口から見える湖の景色が素晴らしかったです。(教会内部は撮影禁止)
マウントクックのハイキングルート
初めて行く山は一人で歩くと、不安になることもあります。インターネットで調べても、マウントクックのハイキングルートの詳しい情報はあまり見つからなかったため、最初はガイド付きツアーを利用する予定でした。ところが、運良く日本の登山アプリ「ヤマレコ」で、マウントクックを歩いた方の記録をいくつか見つけることができました。その記録を参考に、自分のコースを選ぶことにしました。なお、ヤマレコのアプリは無料で使えますので、ぜひ利用してみてください。

参考にしたポイントは、距離とコース選びです。ヤマレコでは、実際に歩かれた方が撮影した写真も見ることができ、どこで素晴らしい景色が楽しめるか事前にわかるので、計画を立てやすくなりました。ただし、コースタイムは歩く速さによって大きく変わるため、あまり参考にならないかもしれません。
例えば、コースを参考にした方は16.3kmのコースを3時間20分で歩かれましたが、これはかなり速いペースです。私は、無理をせず2日に分けてゆっくり歩くことにしました。

1日目:ケアポイント往復(約6Km)
現地の宿泊施設にバスが到着したのはお昼過ぎでした。午後から、ハーミテージホテルを経由して片道約3kmのケアポイントまで往復するルートを歩きました。途中には分かりやすい標識があり、迷うことなく進むことができました。
ケアポイントには展望デッキがあり、山の名前などを解説したパネルも設置されています。迷うことなく歩きやすいコースでした。

【写真解説↑】歩きやすいルートです。私は登山シューズでしたが、スニーカーで来られてる方も多いです。

【写真解説↑】ケアポイント、展望デッキからの景色です。

【写真解説↑】ケアポイント、展望デッキからの景色の解説パネルです。
2日目:フッカーレイクまでの往復(約12km)
このルートも大きな高低差がなく、疲れにくいコースでした。歩いてる方は年齢もさまざま、特に家族連れが多く見かけました。歩きやすく整備されているので安心なコースです。

【写真解説↑】フッカーレイクに浮かぶ氷河を間近で見るため、下り坂を進むことができますが、下る際にはゴロゴロした浮き石を踏むため、ここだけは転ばないように注意が必要です。

【写真解説↑】氷河を近くで見ると、その迫力に圧倒されます。なお、氷河は時とともに流れて姿を消していきます。
3日目:ホテル周辺を散策

【写真解説↑】ハカハウスの近くです。石を背もたれに雄大な景色を眺めました。
ホテルを出ると、すぐにマウント・クックの雄大な姿が目に飛び込んできました。ハーミテージホテルから歩いて約1km進むと、ケアポイントとフッカーレイクへ向かう道が分かれるポイントがあります。そのあたりで最後のマウント・クックをじっくりと眺めました。
また、私が泊まった「Haka House Aoraki Cook」の近くには、雄大な景色が楽しめるスポットがありました。そこで約2時間、ゆったりと座って大自然に心を癒されました。
マウント・クック国立公園では、軽い散策が目的の方でも、ホテル周辺の2〜3kmに大自然を感じることができる場所がいくつもあります。体力に自信のない方も気軽に楽しむことができます。
トイレは駐車場と登山道にあり
トイレについては、朝食時にハーミテージホテル内のトイレを利用しました。駐車場のトイレにも行きましたが、こちらは長い行列ができていました。また、登山道沿いにもトイレがありますが、私は使いませんでした。

【写真解説↑】登山道のトイレです。
宿泊の予約は早めに、ハーミテージホテルが一番オススメ
ハーミテージホテル 立地が最高です
マウントクックに行くための宿泊施設はとても少ないです。レンタカーなら、少し離れた場所でも大丈夫ですが、バスで移動する場合は、ハーミテージホテルが一番便利です。ただし、人気の時期は予約がすぐにいっぱいになってしまいます。実際、ホテル検索サイトで調べると、5ヶ月先まで予約ができない状態でした。早めに予約することをおすすめします。
私は一人でハーミテージホテルに泊まるのは少し贅沢だと思い、別の宿にしましたが、食事だけはハーミテージホテルを利用しました。口コミでは、部屋からの景色がとても素晴らしいと書かれており、立地も抜群だと私も実感しました。

【写真解説↑】ハーミテージホテルの正面外観です。
宿泊施設は少なく、スグ満室になる
また、Googleマップで確認すると、マウントクック周辺(以下の地図)には5件の宿泊施設が見つかります。しかし、ハーミテージホテル以外の宿は部屋数が少ないため、すぐに予約が埋まってしまいます。出発の1ヶ月前に宿泊サイトを見ても、ほとんどの宿が満室でした。
私自身は「Haka House Aoraki Cook」に泊まり、食事はハーミテージホテルを利用しました。

Haka House は安くて快適です
私が泊まった「Haka House Aoraki Cook」は、立地が良く、口コミでも高評価でした。ここはすべてドミトリー形式の宿泊施設で、人気があるため、私の場合は2連泊で同じ部屋に泊まることができず、1日目は男女4人部屋、2日目は女性8人部屋を利用しました。

【写真解説↑】宿泊者同士で話ができるので、旅の楽しみのひとつになります。

【写真解説↑】各部屋の枕元にはコンセントやライトがあり、とても便利です。チェックアウト時は、自分でシーツや布団カバーを外すシステムになっており、清潔さへの安心感が高まると感じました。

【写真解説↑】写真の左側に写っているガラスケースは冷蔵庫です。宿泊者が持ち込んだ食品を保存できるので、事前に知っていれば私も食品を持ち込もうと思いました。

【写真解説↑】キッチンには、コンロ、オーブン、電子レンジ、給湯器、電気ケトル、鍋、フライパン、トースター、包丁、トング、お玉など、必要な調理器具がそろっています。食器も大小のお皿、マグカップ、ガラスコップなどが用意され、洗剤やスポンジ、ふきんも自由に使えます。

【写真解説↑】即席麺やスナックは自動販売機で買うことができますが、現金は使えずクレジットカードが必要なので注意してください。
食事場所

ハーミテージホテルでは、窓からの景色がとても良いレストランで、朝・昼・夜すべてブッフェ形式の食事が楽しめます。私は朝食ブッフェを利用しましたが、種類が豊富でとても美味しかったです。朝食ブッフェは、43NZD(約4000円)でした。
夕食でもハーミテージホテルに行きましたが、アラカルトメニューが食べたいというと別の場所にホテル経営のレストランがあると教えてもらいました。

ハーミテージホテルから徒歩10分のところに、ハーミテージホテルが運営するレストラン「Chamois Bar & Grill」もあります。そのレストランは私が泊まった「Haka House Aoraki Cook」からスグ近くです。
ここではアラカルトの料理が楽しめ、料理2品に加えてデザートとビールを注文しました。料金はNZD99(日本円で約9200円)でした。夕食でいただいた料理はボリュームたっぷりです。
スタッフさんが「食べ切れないでしょう?それ3人前ですね」と冗談を言ってました。ニュージランドではどこのレストランも量が多くて、注文しすぎたと何度か感じました。注文量には気をつけてくださいね。
このレストランの注文方法はとてもシンプルです。(1) 席についたらメニューを見て料理を決める (2) 注文専用の窓口に行き注文 (3) そこで支払いを済ませたらフードコート用のベルをもらう (4) 席で待つ (5) 料理ができたお知らせがベルで届く。(6) お渡しのカウンターに料理を取りに行く。
まとめ(反省点)
マウント・クックの雄大な景色は本当に素晴らしく、自然の魅力を存分に楽しむことができました。また、初めてのドミトリー体験も、今後の旅行に取り入れたいポイントです。
反省点
- ドミトリーでの交流不足
- 同室の方と会話できなかったのが少し残念でした。苦手な英語でも簡単なブロークンイングリッシュで話しかけていれば、もっと楽しい時間を過ごせたかもしれません。
- 宿選び
- 普段はアクセスの良い宿を選びますが、今回はハーミテージホテルが予約サイトでキャンセル不可かつ料金が高かったため、別の宿を選びました。しかし、やはり立地の良さは重要だと強く感じました。その一方で、今回泊まったドミトリーは素晴らしく、結果的に良い経験になりました。
- 帰りのバス停へのアクセス
- 帰りのバス停まで徒歩での距離が長く、もっと近くにあるホテルを選べば良かったと感じました。また、バス会社に交渉してピックアップを依頼する方法も検討すべきでした。
ブログを最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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