
はじめに
まるで物語の中に足を踏み入れたような展覧会でした。
入場の瞬間から、ルイ・ヴィトンの世界観に引き込まれ、
各ブースをめぐるたびに、心が躍り、笑顔があふれていました。
この感動を、ぜひ多くの人に伝えたい──
そんな思いで、写真とともにレポートします。
展覧会の基本情報(行き方・予約・期間など)
- 開催日:2025年7月15日(火)〜9月17日(水)
- 会場名:大阪中之島美術館(Googleマップリンク)
- 入場料:一般2000円 大学・専門学校生1500円
- 予約方法:オンライン予約(中之島美術館チケットサイト)
- 最寄駅:京阪電車中之島線・渡辺橋から徒歩4分、大阪メトロ四つ橋線・肥後橋駅から徒歩6分
- オーディオガイド:各ギャラリールームの入口で各自のスマホにダウンロード(イヤホンの持参をオススメ)
ルイ・ヴィトンの物語は、アニエールの小さな工房から始まりました



展示室に入ってすぐ、時が巻き戻されました。
1854年に創業したルイ・ヴィトンが、ものづくりの拠点として選んだのがアニエール。
工房は1859年に完成し、今も受け継がれるクラフトマンシップがここから始まりました。
邸宅がバッグに。遊び心に感動!



ヴィトン家の邸宅が、まさかのバッグに!
美しい外観そのままに、遊び心とクラフツマンシップが光ります。
原点のコーナー:すべての始まりは、旅のトランクから



1854年、ルイ・ヴィトンはパリで旅行用トランクの店を開きます。雨に強く、重ねやすいフラットなデザインのトランクは、当時としては画期的でした。
その技術と精神は、やがてジュエリーケース、メゾン初のファッション、最新のバッグや時計へと進化し続けています。
このコーナーでは、ブランドの革新の原点に触れることができました。
冒険のコーナー:旅とは、心を動かす冒険。



ルイ・ヴィトンは、未知の地へ向かう冒険者たちのために、使いやすく、美しく、そして耐久性に優れたトランクを生み出してきました。
移動の形が変わっても、“旅する心”への想いは今も変わりません。
ルイ・ヴィトンが見つけた日本の美しさ






展示を見て感じたのは、ルイ・ヴィトンがいかに日本文化を大切にしているかということ。
江戸時代の浮世絵、歌舞伎をイメージしたメイクボックス、富士山を描いた着物まで──伝統の中にある美しさが、現代の作品として再解釈されていました。
単なる“コラボ”ではなく、心のこもったオマージュを感じます。
素材コーナー:木材・金属・レザー・キャンバス

まるで“素材のギャラリー”。
ルイ・ヴィトンを形づくる木、金属、レザー、キャンバスが、光と透明な空間の中に美しく浮かび上がっていました。
モノグラム・キャンバスの歴史

モノグラム誕生、1896年の登録証。
モノグラム・キャンバス|伝統と革新が回る宇宙空間

宇宙を思わせる漆黒の空間に浮かぶのは、1897年製のモノグラム・キャンバス。
そのまわりを、時代とともに生まれた数々のバッグが静かに回転しています。
どのバッグも、それぞれの時代の空気や物語をまとっていて、見ているうちに懐かしい記憶がふとよみがえりました。
まるで、記憶の中の“星”たちが今ここで再会させてくれるような、そんな時間。
ヴィトンの歴史を旅する、美しい宇宙でした。

【↑画像】アズディン・アライアとのコラボバッグ。限定販売の抽選にもれて買えなかったことを思い出しました。
1897年の公的な意匠登録、モノグラム・キャンバス



2021年、パリ市立公文書館で発見された、1897年製のモノグラム・キャンバスとその保管封筒。
100年以上封印されたままだったサンプルが、今回の展示で初公開されました。
リネンとコブラン織の繊細な生地に、ヴィトンの象徴が鮮やかに浮かびます。
1897年に提出→保管されたまま100年以上経過ということは
ルイ・ヴィトン社も「現物はもう残っていない」と思っていたようだ。
2021年に行われた文書館の整理・再調査で偶然発見され
今回の展覧会で「初めて世に出された」ことが解説で強調されています。
トランクの制作工程



実演コーナーでは、職人がトランクの縁にテープを当て、金具で丁寧に打ち付けていく様子を間近で見られました。
一打ごとに伝わる緊張感。伝統の技が今も息づいていることに感動しました。
耐久テスト



ロボットが並んだバッグを次々と開閉したり、取っ手を引っ張って強度を確認したり。
金具の開閉テストや揺れの耐久テストも。映像や実物で紹介されていて、「さすがヴィトン」と思える品質へのこだわりが伝わってきました。
アトリエ「ラレックス」





画像左(黄色のドレス):アリシア・ヴィキャンデルが2016年アカデミ賞受賞式で着用
画像中央(黒のドレス):広瀬すずが2023年カンヌ国際映画祭で着用
画像右(ブルーのドレス):レジーナ・キングが2021年アカデミー賞授賞式で着用
レアで特別な衣装を生み出す、メゾンの最高峰アトリエ。
2018年にパリのヴァンドーム広場に開設されたアトリエ「RAREX(ラレックス)」は、ハイジュエリーや時計に加えて、映画やレッドカーペット、特別なイベントのための一点物の衣装を手がける特別な工房です。
コラボレーションコーナー



ルイ・ヴィトンの革新は、アーティストとの対話から生まれる。
2000年代以降、ルイ・ヴィトンは現代アートやデザイナーとのコラボレーションを積極的に展開。
スティーブン・スプラウス、村上隆、草間彌生、シュプリームなど、数々の伝説的なコラボがここから生まれました。
【限定】たこ焼き刻印に一目惚れ!ヴィトン展スーベニアの誘惑


すべての展示を見終えて出口に向かうと、最後に待っていたのはスーベニアショップ。
ここで、私のテンションは再び最高潮に──!
なんと、この美術展だけの限定刻印が登場しているんです。

この刻印の存在を知った瞬間、
「これは絶対に欲しい!」と心が決まりました。
刻印は3種類から1つ選べますが……


私はもちろん「たこ焼き」一択。
イニシャルは入れず、シンプル&大阪愛たっぷりの仕上がりにしてもらいました。
まとめ
今回の展覧会では、1854年の創業から続く「旅への想い」と「職人の誇り」が、圧倒的な演出とともに伝わってきました。
伝統にとどまらず、常に新しい感性を取り入れて挑戦し続ける──それがルイ・ヴィトンの魅力なのだと改めて感じました。
会場全体にちりばめられたユーモアや、日本文化へのリスペクトも印象的。
なかでも「たこ焼き刻印」は、思わず笑顔になってしまう、ブランドの柔らかさを象徴するような演出でした。
*スタッフさんの話によると、あの「たこ焼き刻印」は許可が下りるまでに3年もかかったそうですよ♥
万博の「フランス館」も素晴らしかったですが、それを超える感動を、この展示会で味わえました。
大阪・関西万博にあわせてこの展覧会を開催した、大阪中之島美術館の熱意にも拍手を送りたいです。
チケットは日時指定制。混雑前の早めの来場がおすすめです。
🔗 フランス館のレポートも、ぜひご覧ください
👉 フランス館のレポートはこちら
ファッションに詳しくなくても、旅が好きな人、美しいものが好きな人なら、きっと心に残る展示になるはず。
ぜひ会期中に足を運んでみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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