※この記事は2026年9月14日に、ANAの最終発表前の状況をもとに執筆しました。9月29日にSFC LITEのANAラウンジ利用条件が見直されたため、最終内容に合わせて更新しています。
私はANA上級会員歴25年以上、うちSFC歴23年です。現在はスター アライアンス・ゴールドです。
その私が今、楽天プレミアムカードを申し込み、プライオリティ・パスを発行しました。
きっかけは、ANAの制度改定です。年間300万円の決済額によって「SFC PLUS」と「SFC LITE」に分けるという内容でした。300万円を無理なく決済できる方ばかりではありません。私もできません。
2026年9月29日の最終発表では、SFC LITEでもANAラウンジを条件付きで利用できる内容へ見直されました。一方、スター アライアンス資格はシルバーとなるため、加盟他社便で受けてきたラウンジなどのゴールド特典は原則として対象外になります。
先にお伝えします
申し込んだ理由はひとつです。SFCが使えず困る日は、改定前の今もあるからでした。
そして、申し込むにあたって調べて分かったことが3つあります。
- プライオリティ・パスは、SFCの代わりにはなりません。去年の旅を調べ直すと、持っていても使えたのは3空港中1か所だけでした
- 空港名では判断できません。同じ空港でも、ターミナルと行き先によって入れるかどうかが変わります
- 今の私なら、年5回の無料枠で足ります。SFC LITE後に足りるかは、利用する航空会社・空港・ターミナルによって変わります
なぜそう言えるのか、自分の直近1年間の搭乗を全部数えて確かめました。順にお話しします。
SFCがあっても、ラウンジに入れないのはどんなとき?

同じ旅の待ち時間でも、過ごす場所によって疲れ方はまったく違います。
2025年10月、バルセロナとマドリッドを旅しました。この1回の旅に、答えがぜんぶ入っていました。
行きの乗り継ぎは、パリ・シャルルドゴール空港。バルセロナ行きの便を、ターミナル2Fで待ちました。乗り継ぎ時間は、たっぷりありました。
騒がしいカフェで、ようやく見つけた小さなテーブル。荷物を足元に寄せ、飲み物を置くと、それだけでいっぱいです。食べ終わっても、長く座っていられる雰囲気ではありませんでした。
店を出ても、行く場所はありません。空港の通路を歩き、空いた椅子を探し、また歩く。時計を見るたび、搭乗時刻はまだ先でした。
この日の写真は、1枚も残っていません。
旅先ではよく写真を撮るのに、撮りたいと思える時間ではなかったのだと思います。
ところが、同じ旅の帰りに立ち寄ったパリでは、まったく違いました。日本行きのANA便を待ったのは、同じシャルルドゴール空港のターミナル1。SFCでスター アライアンス・ラウンジに入れました。

パリ・シャルルドゴール空港ターミナル1のスター アライアンス・ラウンジ。
静かな室内で荷物を横に置き、ゆったり座る。飲み物を取りに立っても、席がなくなる心配はありません。

滑走路を望む、ゆとりのある座席。行きのパリで空いた椅子を探して歩いた時間とは対照的でした。
同じ旅、同じ空港なのに、待ち時間の疲れ方はまるで違いました。
違いを生んだのは、SFCの有無ではありません
分かれ目は、どの航空会社の便に乗るかでした。SFCのラウンジ特典を利用できるのは、原則としてスター アライアンス加盟航空会社の便に乗るときです。
| 搭乗を待った空港 | 次に乗る区間 | 利用便 | SFCラウンジ特典 |
|---|---|---|---|
| パリ・シャルルドゴール空港(CDG) | パリ→バルセロナ | エールフランス | 使えませんでした |
| マドリッド・バラハス空港(MAD) | マドリッド→パリ | エールフランス | 使えませんでした |
| パリ・シャルルドゴール空港(CDG) | パリ→日本 | ANA | 使えました |
上級会員でも、旅程に合うスター アライアンス便がなければ、ラウンジ特典は使えません。
ラウンジだけではありません。マドリッドからエールフランスに乗ったときは、SFCの優先搭乗も対象外でした。いつもの優先レーンではなく、ほかの乗客と一緒に列に並びました。

マドリッド発エールフランス便。SFCの優先搭乗は使えず、列に並んで搭乗しました。
私の1年を数えたら、15回中12回はSFCが支えていました
では、こういう「入れない日」は、1年でどれくらいあるのでしょうか。自分の搭乗記録を全部数えてみました。
直近1年間の旅行は12回。国内が5回、海外が7回で、海外は近いアジアが中心です。そのなかで搭乗前にラウンジを利用した、または利用したかった場面は15回ありました。
| どう過ごしたか | 空港とラウンジ | 回数 |
|---|---|---|
| SFC/スター アライアンス資格で利用 | 羽田のANAラウンジ3回、関空のKIX Lounge KANSAI 2回、パリのスター アライアンス・ラウンジ1回、桃園のエバー航空ラウンジ2回、バンコクのタイ国際航空ラウンジ1回、金浦のアシアナ航空ラウンジ3回 | 12回 |
| カード付帯特典で利用 | 関空のカードラウンジ | 1回 |
| 入れなかった | パリ、マドリッド | 2回 |
※関西空港のANA LOUNGEは2025年5月31日で営業を終了し、現在SFCで利用できるのは関西エアポートが運営する「KIX Lounge KANSAI」です(ANAグループ運航便の利用時)。
15回のうち12回を、SFCとスター アライアンス・ゴールドが支えていました。カードラウンジを使えた関空を加えると、ラウンジに入れなかったのはパリとマドリッドだけです。
旅行単位で見ると、本当に困ったのは、パリからスペインへ往復した1回でした。
ほかにもSFCラウンジを使わなかった旅行はあります。
- エバー航空を利用して神戸から出発したときは、当時ラウンジがありませんでしたが、代わりに金券を受け取りました
- LCCで関空からソウルへ行ったときは、カード付帯の空港ラウンジを利用できたので困りませんでした
- 国内旅行5回では、プライオリティ・パスを必要としませんでした
つまり今は、SFCがあるから年12回旅行してもプライオリティ・パスの出番は多くありません。けれどそれは、SFCが12回分の待ち時間を支えてくれていたからです。
最終発表後、SFC LITEで何が変わる?

※上の図は2026年4月の当初発表をもとに作成したものです。9月29日の最終発表で、ANAラウンジの条件は見直されました。
年間300万円の決済に届かない場合、私は2028年4月からSFC LITEになります。スター アライアンスのステータスがシルバーになる点は、最終発表でも変わりませんでした。
一方、当初は利用できない予定だったANAラウンジは、一部利用できる内容へ見直されました。国内線ANAラウンジは混雑時を除いて利用でき、国際線ではANAグループ運航便に搭乗する場合、羽田・成田・ホノルルのANAラウンジを利用できます。
ただし、エバー航空、タイ国際航空、アシアナ航空などスター アライアンス加盟他社便に乗る際は、シルバー資格となるため、ラウンジ、優先チェックイン、優先搭乗、手荷物の優先受け取りなどは原則として対象外です。
つまり、私の12回分のラウンジ利用がすべて失われるわけではなくなりましたが、加盟他社便で利用してきた多くのラウンジは対象外になります。プライオリティ・パスがどこまで補えるかは、利用する空港とターミナルごとに確認する必要があります。
制度の詳しい比較は、SFC PLUSとSFC LITE|何が消えて、何が残るのかにまとめています。
正式発表を待たずに、楽天プレミアムカードを申し込みました
正式発表を待つことも考えました。それでも申し込んだのは、冒頭に書いたとおり、SFCが使えず困る日が改定前の今もあるからです。
年会費は11,000円。付帯するプライオリティ・パスは、本人が年5回まで無料で利用できます。6回目以降も利用できなくなるわけではなく、1回US$35で利用できます。
国内主要空港のカードラウンジ特典はこれとは別で、こちらは回数制限がありません。
| 特典 | 主な利用場所 | 無料回数 |
|---|---|---|
| プライオリティ・パス | 国内外の対象ラウンジ | 年5回 |
| カード付帯の空港ラウンジ | 国内主要空港など | 回数制限なし |
プライオリティ・パスは、カード到着後に楽天e-NAVIから申し込む必要があります。カードを作っただけでは利用できません。
プライオリティ・パスは、SFCの代わりになる?
ここがいちばん知りたいところだと思います。私も気になったので、2025年10月のあの旅を「もしプライオリティ・パスを持っていたら」という前提で調べ直しました。
行きのパリ(ターミナル2F発)→ 使えません
シャルルドゴール空港でプライオリティ・パス対象として掲載されている施設は、ターミナル2Eにある1か所だけです。2Fからバルセロナへ向かう、あの日の旅程では利用できません。
マドリッド(ターミナル2発)→ 使えました
ターミナル2には、シェンゲン便の利用者が入れるプライオリティ・パス対象ラウンジがあります。ここは唯一、持っていれば入れた空港でした。

マドリッド・バラハス空港ターミナル2。プライオリティ・パスがあれば、一般の待合エリアではなくラウンジで過ごせました。
写真の手前の案内板には「Lounge 6 access in front of gate D66」と書かれています。ラウンジへの案内は、目の前にありました。
帰りのパリ(ターミナル1発)→ 使えません
対象施設はターミナル2Eなので、帰りのANA便でも利用できません。あの日に入れたのは、SFCで利用できるターミナル1のスター アライアンス・ラウンジでした。

つまり3空港のうち、使えたのはマドリッドの1か所だけ。プライオリティ・パスは、SFCで利用してきたラウンジをそのまま置き換えるものではありません。SFCが使えない日の待ち時間を、条件が合う空港でだけ補う選択肢です。
だからこそ、カードを作る前にご自身がよく利用する空港を調べてください。
- その空港に対象ラウンジがあるか
- 利用するターミナルから入れるか
- 国内線、シェンゲン便、国際線などの条件に合うか
空港名だけで判断せず、「どのターミナルから、どこへ飛ぶか」まで見る必要があります。
年5回で足りる? 数えるのは旅行回数ではありません
私の旅行は直近1年で12回でしたが、必要なのは12回分ではありません。数えるべきなのは旅行回数ではなく、「プライオリティ・パスを使いたい場面の数」です。
日本から出発するときは、カード付帯の国内空港ラウンジを利用できるので、年5回の枠を減らしません。羽田や関空などには、制限エリア内にも対象のカードラウンジがあります(対象施設や利用できる場所は空港・ターミナルによって異なります)。

直行便の海外旅行なら、帰りの海外空港で1回。往復ともに1回ずつ乗り継ぐ旅行なら、使いたい場面は最大3回です。ただし乗り継ぎがあれば必ず3回使えるわけではなく、パリのようにターミナルや行き先で入れないことがあります。
実際、去年いちばん困ったのはパリとスペインを往復した1回でした。2026年10月のシドニー―クイーンズタウン往復ではスター アライアンス非加盟便を利用するため、条件が合えばシドニーの「The House」とクイーンズタウンの「Manaia Lounge」で1回ずつ試す予定です。
年5回は「すべての旅行をカバーする5回」ではありません。SFCもカードラウンジも使えず、対象ラウンジがある場面だけに使う5回です。今の私には、これで足ります。
SFC LITE後も、年5回で足りるとは限りません
最終発表により、国内線のANAラウンジなど一部の利用は残りました。そのため、当初想定していたように「12回分すべての行き場がなくなる」わけではありません。
一方、スター アライアンス加盟他社便で利用してきたラウンジは原則として対象外になります。それらをプライオリティ・パスで補えるかは、空港だけでなく、利用ターミナルや行き先によっても異なります。年5回で足りるかどうかは、今後の旅程ごとに確かめる必要があります。

空港の中とは思えない、緑に囲まれたテラス。搭乗までの待ち時間も、旅の一部になります。
ラウンジが使えるだけで、空港での待ち時間は変わります。座って休み、荷物を置き、飲み物を飲める。それだけでも疲労感は和らぎ、旅を一段上げてくれると感じています。
だからこの1年は、プライオリティ・パスでどこまで納得できるかを確かめる期間にします。年5回は結論ではなく、次の選択を決めるためのお試しです。
同行者がいる場合は、どう考える?

SFCでは、条件を満たす同行者1名も無料でラウンジに入れました。一方、楽天プレミアムカード付帯のプライオリティ・パスでは、同行者は1人1回US$35です。
判断の分かれ目は、その人と年に何回一緒に旅行するかです。
- 何度も一緒に行く旅仲間/それぞれが本会員になり、各自でプライオリティ・パスを発行する。別々に旅行するときにも5回ずつ使えます
- 年に一度だけの家族や友人/同伴者料金で対応するほうが簡単です。1回約5,000円として、年2回なら約10,000円、年3回なら約15,000円
いつもの旅仲間なら、2枚目の年会費11,000円と比較できます。どちらが正解ということではなく、一緒に利用する回数と、その人自身が今後もプライオリティ・パスを使うかで変わります。
※円換算額は為替によって変わります。
今できるのは、自分の旅を振り返ることです
私がやったのは、特別なことではありません。過去1〜2年の旅行を、こう数えただけです。
- どの航空会社を利用したか
- SFCでラウンジに入ったのは何回か
- 入れずに困ったのは何回か
- その空港にプライオリティ・パス対象ラウンジがあるか(ターミナルまで)
- いつも一緒に旅行する人がいるか
必要なものは、人によって違います。年間300万円を決済してSFC PLUSを目指す人。SFC LITEのままカードを持ち続ける人。プライオリティ・パスを併用する人。別の方法でスター アライアンス・ゴールドを目指す人。
今、急いで300万円を使う方法を探したり、SFCを解約したりする必要はありません。正式発表を待ちながら、自分が本当に困る場面を調べる時間はあります。
まとめ
私が楽天プレミアムカードを申し込んだのは、SFCを諦めたからではありません。正式発表を待っている間に、今すでに困っている場面を少しでも補えるか、試してみたかったからです。
プライオリティ・パスはSFCの完全な代わりにはなりません。あの日のパリでも使えませんでした。それでも、マドリッドでは使えました。全部を取り戻せなくても、楽になる待ち時間はあります。
そして、ANA上級会員歴25年以上、うちSFC歴23年の私にも、まだ答えはありません。長く持っているから正解が分かるわけではなく、むしろ長く受けてきた恩恵があるからこそ、簡単には割り切れないのだと思います。
「修行したばかりなのに」「これからどうすればいいのだろう」と悩むのは、当然です。今すぐ結論を出せなくても大丈夫。まずは、自分がどの空港で何に困っているのかを調べるところからで十分だと思います。
9月29日の最終発表で、当初より残るサービスは増えました。それでも、プライオリティ・パスがSFCの完全な代わりにならない点は変わりません。これからも実際の旅で使いながら、自分に必要な備えを確かめていきます。
https://kiko-travel.com/sfc-lite-300man/【出典】ANAスーパーフライヤーズカードの制度変更(ANA公式)/関西国際空港ANA LOUNGE営業終了のお知らせ(ANA公式)/楽天プレミアムカード(楽天カード公式)/Priority Pass 対象ラウンジ検索(プライオリティ・パス公式)
制度やラウンジの最新内容は、必ず公式サイトでご確認ください。本記事は2026年9月14日に公開し、2026年10月に9月29日の最終発表を反映して更新しました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 今後も旅の情報とともに失敗談も書いていきます。どうぞよろしくお願いいたします!
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