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世界3大登山鉄道:阿里山森林鉄道|5時間の絶景とチケット争奪戦の全記録


【↑画像イメージ】出典:Wikipedia “阿里山森林鉄路” / 撮影者:[Benson.lee] / [CC BY-SA 3.0]

目次

「バスなら3時間、鉄道は5時間」それでも私はこの列車に乗りたかった

こんにちは、旅するKIKOです。

台湾旅行を計画しているあなた、こんな悩みはありませんか?

「阿里山に行きたいけれど、バスと鉄道、どっちを選べばいいの?」 「森林鉄道って本当にそんなに人気なの?」 「チケットが取れないって聞くけど、どうやって予約するの?」

私は今回、嘉義(かぎ)から阿里山までの約71kmを、あえて5時間かけて登る「阿里山森林鉄道」に乗ってきました。

バスなら3時間で着く道のりを、わざわざ5時間。 ──それでも、この列車に乗る価値はあるのか?

結論から言います。ありすぎます。

いえ、正確に言えば「バスじゃ絶対に味わえないもの」がこの鉄道にはぎっしり詰まっているのです。

【↑動画:嘉義駅に到着した赤い車両】

しかもこの鉄道、2009年の台風で甚大な被害を受け、さらにその後の地震や災害の影響も重なり、一時は復旧が無理と言われていた。それが15年の年月をかけてようやく全線が開通したばかり。

「乗っておけばよかった」と後悔していた私にとって、念願かなっての一本でした。

「5時間は遠回りではなく、5時間分の感動が用意されている時間」──それがこの旅で私がたどり着いた答えです。

ふと列車の側面を見ると、そこには『OIGAWA RAILWAYS』の文字が。

実は、日本の大井川鐵道と姉妹鉄道なんです。遠く離れた台湾の山奥で日本の鉄道の名前を見つけると、なんだか嬉しい気持ちになりますね。


そもそも、阿里山森林鉄道は何がすごいのか

まず結論から言ってしまうと、阿里山森林鉄道は**「世界三大登山鉄道」の一つ**に数えられる、世界的にも極めて希少な鉄道です。

世界三大登山鉄道と呼ばれるのは、次の3つ。

  • インド・ダージリン・ヒマラヤ鉄道(世界遺産)
  • スイス・マッターホルン鉄道(ゴルナーグラート方面)
  • 台湾・阿里山森林鉄道

この3つに選ばれるだけでも、どれだけ特別かが伝わると思います。

「なぜ5時間もかかるのか」が、この鉄道の魅力そのもの

嘉義駅(海抜約30m)から阿里山(海抜約2,216m)まで、標高差はおよそ2,200m
これは、東京スカイツリー(634m)を3本半積み上げた高さを、一気に登り切るようなものです。

普通の鉄道なら、こんな急斜面は登れません。 そこで阿里山森林鉄道が使ったのが、次の2つの特殊な登り方でした。

  1. スパイラル(螺旋)走行:山をぐるぐると回りながら高度を稼ぐ
  2. スイッチバック(Z字)走行:ジグザグに前進・後進を繰り返して急勾配を登る

この2つを、同じ路線上で両方味わえる鉄道は世界でも極めて珍しいのです。

【↑画像:車窓から見える深い森の風景】

ヒノキ運搬のための「産業鉄道」として誕生した歴史

阿里山森林鉄道のルーツは、観光ではなく「林業」にあります。

1912年、日本統治時代に、阿里山の**樹齢千年を超えるヒノキ(檜)**を麓まで運び出すために建設されたのが始まりです。 当時、阿里山のヒノキは「神木」と呼ばれるほど良質で、日本の神社仏閣の建材としても珍重されました。

つまりこの鉄道は、100年以上前に「生きた巨木を運ぶ」という明確な目的で、人の手で山肌に刻まれた道なのです。

その歴史あるルートを、いま私たち旅行者が、同じレールの上を辿ることができる。 これって、ちょっとすごいことだと思いませんか?

「100年前の職人が切り拓いた山道を、今の私がなぞっている」──そう思った瞬間、車窓の景色が急に愛おしくなりました。


阿里山森林鉄道に「絶対に乗るべき」3つの理由

ここまで読んでくださったあなたに、具体的な魅力を3つに絞ってお伝えします。

理由1|全線復旧したばかりの「今しか感じられない価値」

私がこの鉄道を意識するようになったきっかけは、台湾の地震で森林鉄道が不通になったというニュースでした。

「あぁ、乗っておけばよかった」 「もう乗れないかもしれない」

そんな後悔がずっと胸の奥にありました。

だからこそ、「全線復旧」のニュースを聞いた瞬間、私の心は決まっていました。 「次の台湾旅行では、絶対にこの列車に乗る」と。

自然災害のあと、15年の長い年月をかけて一本のレールが再びつながる。 それは、災害の爪痕を乗り越え、人の手で一本ずつレールを繋ぎ直した直後の鉄路は、普通の鉄道旅行にはない重みがあります。

理由2|スパイラルとスイッチバックの「体感」は一生モノ

【図解:独立山スパイラル(魔法の3周半)】

樟脳寮(しょうのうりょう)駅を出た列車は、目の前にそびえる「独立山」を前に、驚きの行動に出ます。真っ直ぐ登るのではなく、山の斜面に沿って、まるで螺旋階段を上がるようにぐるぐると3周半も回り始めるのです。

  • **1周目、2周目、3周目……**と回るたびに、窓の外に見えるふもとの駅がどんどん小さくなっていく。
  • そして**最後の「半分」**を回り終えた瞬間、パッと視界が開けて山頂の「独立山駅」に到着します。

自分の乗っている列車が、今まさに山を「巻いている」という感覚。これは地図を見ながら乗っていないと気づけない、知的な興奮に満ちた体験です。

【↑イラスト解説:スパイラルの仕組み

【↑画像:独立山を回っている途中で撮影した車窓からの風景】

私は実際にスマホの地図アプリを開きながら、「さっき通った線路が下に見える…!」と何度も声を上げそうになりました。 同じ山をグルグル回ることで、高度が上がるたびに景色の見え方がまったく変わっていく。 これはバスでは絶対に体験できない、鉄道ならではの醍醐味です。


【図解②:スイッチバックの仕組み】

急勾配を登れない列車が、ジグザグに進行方向を変えながら高度を稼ぐのがスイッチバックです。

面白いのは、進行方向が変わるたびに、運転手さんと車掌さんが列車の端から端まで全力で走って交代すること。 車両の向きを変えるのではなく、「常に進行方向側に運転手がいる状態」を人力で作り出しているのです。

私が乗った区間では、このスイッチバックが3回くらい繰り返されました。 その度にプロの鉄道マンたちがサッと位置を入れ替える姿を、私は窓越しにずっと追いかけていました。

「100年前の技術が、今もなお人の手で動いている」──その事実に、ひとり静かに感動していました。

【↑イラスト解説:スイッチバックの仕組み

理由3|窓際一人席からの「貸し切りシアター」体験

車内の座席配列は、2列+1列のシート。 つまり、一人旅の私にぴったりの**「窓際一人席」**が存在するのです。

鉄道ファンならお分かりだと思いますが、両隣に気を遣わず、窓の外を独り占めできる席というのは、それだけで価値があります。

【↑画像:座席配列図(2列+1列シート)] 、自分が座った窓際一人席の様子】

実はこの車両、窓際の一人席(1列側)は、座席を窓側に向けて回転させることができるんです!真横に向けることも可能ですが、通路を通る人の邪魔にならないよう、斜めに向けるのがベストポジション。自分だけの「特等席」から、流れる景色をパノラマで楽しめます。

【一人席の確保】 私の時は、一人での申し込みだったためか、自動的にこの「一人席」が割り振られました。予約システム上、自分で一席ずつ指定して選ぶことはできませんでしたが、もし運よくこの席に当たったら「ラッキー」だと思ってください!

後述するチケット解説の章で、予約時の注意点についても詳しく触れますね。


チケット争奪戦を勝ち抜く「予行演習」マニュアル

さて、ここからが実践編です。

阿里山森林鉄道の最大の難所は、実は「乗ること」ではなく**「チケットを取ること」**。 ここを突破できなければ、この旅は始まりません。

基本ルール

  • 発売日:乗車日の2週間前の日本時間23時(台湾時間0時)
  • 販売席数:わずか約100席
  • 購入URL:台湾鉄路局の公式予約サイト https://afrts.forest.gov.tw/OT01_1.aspx

チケット争奪戦「神攻略法」7か条

これは私が実際に成功した方法です。そのまま真似してください。

① 数日前に必ず「予行演習」をする

本番前に、日付違いで予約画面を一通り操作しておく。 これをやるかやらないかで、本番の落ち着きがまったく違います。 申込画面を購入本番で初めて見ているようでは焦って失敗します。

支払いの一歩手前まで進むことができますので、事前にイメージを掴むために見ておくといいでしょう。

ただし、嘉義→阿里山は練習時に残席がなく開くことができません。私は残席のある下山の列車で予行演習をしました。(画像参照)

【↑画像:チケット購入画面、中央&左画像は下山のイメージ画像です、必ず乗車駅:嘉義、降車駅:阿里山で入力してください】

② パスポートを手元に置き、スマホを複数台用意

予約画面ではパスポート番号の入力を求められます。 タイプミスは致命傷。手元に現物を置いて、正確に入力できる状態を作りましょう。

焦って画面が消えた時のために、私はiPad miniとパソコンの2ヶ所からアクセスしました。

③ 23時の30分前からスタンバイ

開始10分前ではなく、30分前に予約画面の一歩手前でスタンバイ。 サーバー混雑でページが重くなる前に、目的のページを開けておきます。

④ 翻訳は「事前に用意」しておく

台湾の予約画面は繁体字中国語が基本。 私は翻訳アプリがすぐに開いたので日本語で進めることができました。

⑤ 発売と同時にアクセスし、迷わず進む

私の実体験では、発売開始(台湾時間0時)ちょうどにアクセスして予約画面に進んだ時点で、残席はすでに12席でした。 数分で売り切れます。文字通り秒単位の勝負です。

残席があれば落ち着いて、次に進みましょう。
私はアメックスカードで支払いましたが、念のためにVISAカードも手元に持って購入に進みました。

⑥ 座席選択では「1人がけの席」を即決

2列+1列の1列側を狙います。 しかし席を選ぶ画面は出てきませんでした。いや一瞬だったので気づかずにスルーしたかもしれない。

⑦ 購入完了時に表示される「予約番号」を必ず保管する

購入が完了すると、画面に予約番号が表示されます。 これがチケット引き換えに絶対必要です。

  • 画面のスクリーンショットを撮る
  • 番号をメモ帳にコピペする
  • 自分宛にメールで送る
  • クラウドメモに保存する

最低でも3か所にバックアップしてください。番号がわからないと乗車できません。

【↑画像:予約完了画面(予約番号が確認できる画像)】

チケットの「受け取り方」と嘉義駅の活用術

チケットは、嘉義駅の窓口で受け取ります。 当日受け取りもOKですが、私は前日受け取りを強くおすすめします。 当日の朝、もし何かあったら取り返しがつかないからです。
実際に乗車時間の前に受け取り口に数名の方が並んでいました。

受け取りに必要なもの

  • 予約番号
  • パスポート(現物)

【↑画像:チケット受け取り窓口】

【↑画像:チケット受け取り窓口で、上記2点の説明を受けました。(1)嘉義駅10時出発、奮起湖で65分の休憩、奮起湖駅13時21分出発、(2)列車の乗車位置の説明】

列車内のスーツケースの置き場

各列車の中に大きな荷物を置く場所があります。しかし荷物置き場は非常に狭いです。
また多くの乗客は、下山はバスにされる方も多く、バスの場合はさらに乗客の人数に対して荷物を入れるトランクが狭いと感じました。

起きな荷物はコインロッカーまたは、麓のホテルに預けて、身軽な荷物で行くことをお勧めします。

嘉義駅のコインロッカー活用法

山頂宿泊が難しくなったときや、身軽に動きたいとき、嘉義駅のコインロッカーが最強の味方になります。

  • 場所:嘉義駅構内(コンビニ前)
  • 使い方:タッチパネル式。画面の指示に従って料金を投入し、暗証番号またはQRコードを受け取る
  • 取り出し:同じパネルで暗証番号を入力するだけ
  • 料金:3時間ごとの料金、大70TD、中50TD、小40TD(約350円/250円/200円)、私は小サイズに30時間預けたので400TD(約2000円)
  • 支払:現金・クレジットカード(VISA /マスター/JCB)・Apple Pay、
  • 支払い方法:預け入れ時に3時間分、取り出し時に超過分を払います。
  • QRコードで開閉するため、スマホは必要です。

【↑画像:コインロッカーの営業時間、黄緑色が空きのロッカー】

【↑画像:小サイズのコインロッカー、まだ余裕あり】

今日から準備できる「阿里山森林鉄道」実践アクション

アクション1|まず「乗車日」を確定する

何より最初にやること——それは、乗車日を決めてしまうことです。阿里山森林鉄道の指定席は、乗車日の14日前からオンラインで予約が始まります。

私は数ヶ月前の当時期に森林鉄道の乗車日、ホテル、航空券の計画を進めました。

森林鉄道の乗車券は取れないかもしれない。そんな時はバスで上がって列車は下山時に乗ろうと考えていました。

まずカレンダーを開いて、「この日に乗る」と決めてしまいましょう。日程が確定すれば、宿泊も服装準備も、自然と動き出せます。

予約は台鐵(台湾鉄路)の公式サイト、またはKKdayなどの旅行プラットフォームから。クレジットカードがあれば日本からでも購入可能です。


アクション2|「ご来光」のために、泊まる計画を立てる

この旅には、最初から2つの目的がありました。阿里山森林鉄道に乗ること、そしてご来光を見ること。

阿里山のご来光は、雲海の上にゆっくりと朝日が昇る絶景で、「台湾で一生に一度は見たい景色」と言われています。早朝、祝山線の臨時列車に乗って山頂の祝山(ちゅくざん)展望台へ向かい、夜明けを待つ——その体験のために、多くの旅行者が阿里山に前泊します。

【↑画像:祝山展望台からのご来光・雲海のイメージ】

私もそのつもりで、数ヶ月前から山上の宿を押さえていました。ところが——。

出発3日前、突然アゴダから電話が入りました。「予約されているホテルが火事になり、ご利用いただけません」。

山上の宿泊施設は元から数が少ない。数ヶ月前に予約してやっと確保できた部屋です。3日前に代わりを探しても、どこも満室でした。「わざわざ台北から遠い嘉義まで行く意味があるのか。台北で街歩きに変えようか」——正直、そう考えました。

悩んだ末に出した答えは、「それでも行く」でした。

阿里山山脈のひとつ、石棹(せきちゃく)エリアに宿を見つけ、急遽予約。Googleマップの評価が高いというだけで決めた宿でしたが、これが結果的に、泊まってよかったと心から思える宿との出会いになりました。(石棹の宿については、別記事でたっぷりご紹介します。)

山頂と嘉義の中間あたりに位置する石棹からでも、阿里山の空気は十分に感じられました。そして翌朝、森林鉄道に乗るために山へ向かいました。「今しかない」という気持ちが、最後の背中を押してくれました。

この経験から、読者のみなさんにお伝えしたいことがあります。

阿里山の宿泊事情は、本当にシビアです。繁忙期はもちろん、平日でも選択肢が少ない。予約は乗車日と同じタイミングで、できるだけ早く進めてください。そして万が一のキャンセルに備えて、石棹など周辺エリアの宿も候補に入れておくことを強くおすすめします。

アクシデントがあっても、旅はなんとかなります。大切なのは、「それでも行く」と決める気持ちです。

アクション3|「阿里山の気温差」に備えた服装と持ち物を整える

旅の準備で意外と後回しになりがちなのが、服装と持ち物です。でも阿里山では、ここが快適さを大きく左右します。

嘉義市内は年間を通じて気温が高く、夏は35℃を超えることもあります。一方、阿里山の山上(標高約2,200m)は、同じ日でも10〜15℃涼しいことがざら。「下界は真夏、山の上は秋」という感覚で準備するのが正解です。

持ち物チェックリスト:

アイテム理由
薄手のダウンまたはフリース山上の朝夕は肌寒い。ご来光を見る早朝は特に冷える
折り畳み傘またはレインウェア山岳地帯は午後から雨が多い。突然のにわか雨に備えて
歩きやすいスニーカー奮起湖の路地や石畳は意外と起伏がある
小銭・現金(台湾ドル)駅弁・屋台・土産物屋は現金払いが基本
モバイルバッテリー車窓の写真・動画を撮り続けるとスマホの電池が減る

「荷物は軽くしたい、でも後悔はしたくない」——その両立が、山旅の荷造りのコツです。

奮起湖では路地をぶらぶら歩き、駅弁を食べ、地元のジュースを手に持って歩く。そんな気ままな時間を思い切り楽しむためにも、足元と体温調節の準備だけは抜かりなく。

奮起湖駅で65分。列車を降りて、街の空気を吸いに行こう

列車の旅の醍醐味は、「乗っている時間」だけじゃない。

奮起湖駅に到着すると、列車はここで約65分間停車します。 「えっ、1時間以上も?」と思うかもしれませんが、これは偶然ではなく、蒸気機関車が現役だった時代の名残なのだそうです。急勾配が続く山岳路線を走り切った機関車が、ここで水を補給し、エンジンを整備するために長い停車時間が設けられていた——その習慣が、ディーゼル車になった今も受け継がれています。なんともロマンチックな話ではないですか。

[写真挿入:奮起湖駅のホームに停車中の列車]


まずは「奮起湖弁当」を手に入れよう

65分あれば、できることはたくさんあります。でも、何をおいてもまず試してほしいのが、奮起湖名物の駅弁です。

ホームを降りてすぐ、お弁当屋さんが並んでいます。竹の香りがするような素朴な容器に、煮込まれた豚肉や漬け物、卵、ご飯がぎっしり。山を越えてきた体に、これがじんわりと染み渡るんです。

[写真挿入:奮起湖弁当]

【↑画像:人気店で駅弁100TD(約500円)を購入、野菜がたっぷり、青菜の下に鶏肉とゆで卵が隠れている、美味しかったです】

電車を降りたばかりの新鮮な空気の中で、公園で食べる駅弁は「あ、旅してるなぁ」という実感がふわっと押し寄せてくる瞬間です。


歴史展示で鉄道の「物語」を知る

お腹が落ち着いたら、駅構内や周辺に展示されているディーゼル機関車を見に行ってみてください。

初代の車両から現在の車両まで、写真と解説つきで丁寧に展示されていて、鉄道好きでなくても、気づいたら時間を忘れて見入ってしまいます。 阿里山森林鉄道がどんな歴史をたどり、どう進化してきたのかがよくわかって、乗ってきた列車がいっそう愛おしくなります。

【↑画像:機関車展示と機械車の歴史の解説を見ることができます】


路地をぶらり。土産物屋の小道が面白い

展示を見終わったら、駅の周辺にある古い街並みへ。

狭い路地に土産物屋さんがひしめき合い、眺めているだけでも楽しい。山の幸を使った加工品、地元のお茶、木工品……どれも「ここでしか買えない」感じがあって、つい立ち止まってしまいます。

私はこの路地で、「山粉圓(さんふんえん)」と「野生愛玉(やせいあいゆ)」のジュースを発見して、迷わず購入しました。山粉圓はもちもちとした小さな団子が入ったドリンク、野生愛玉は台湾山地に自生するイチジクの仲間の実から作るゼリー飲料で、さわやかなレモン風味。山の中腹で飲む冷たいドリンクは格別です。

【↑画像:山粉圓と野生愛玉のジュース】

「65分でこんなに楽しめるの?」と、出発のベルが鳴ったときには少し名残惜しい気持ちにすらなりました。


奮起湖での65分、何をする?(まとめ)

やること目安時間
駅弁を買って食べる約20分
機関車展示&歴史解説を見る約15分
路地の土産物屋をぶらり約15分
ジュースを飲みながらのんびり約10分
余裕をもって列車へ戻る約5分

これで、ちょうど65分。時刻表があって、急ぐ必要もなくて、でもやることはある。 そんなほどよい自由が、奮起湖の停車時間の魅力です。

旅というのは、目的地に着くことだけが全てじゃない。途中の街で弁当を食べて、見知らぬ路地を歩いて、地元の飲み物で喉を潤す——そういう小さな体験の積み重ねが、記憶に残る旅をつくるのだと思います。


まとめ|5時間の車窓に、100年の物語が詰まっている

最後に、この旅でいちばん強く感じたことをお話しさせてください。

同じ車両に乗っていた乗客の方々は、スマホを眺めていたり、うとうと眠っていたり、おしゃべりに夢中だったり。 その中で私は、ずっと立ち上がっては右の窓、左の窓、後ろの連結部までのぞきこみ、一人で忙しく車内を動き回っていました。

周りから見たら、「落ち着きのないおばあちゃんだな」と思われたかもしれません(笑)。

でも、いいんです。 この鉄道には、それだけ夢中になるだけの価値があるのですから。

  • スパイラルで同じ山を3周半する躍動感
  • スイッチバックで運転手さんが走って交代する職人技
  • 100年前のヒノキ運搬の歴史
  • 世界三大登山鉄道としての誇り
  • 地震からの全線復旧という奇跡
  • 窓際一人席から独り占めする森の景色

私にとってこの5時間は、**旅行ではなく「体験の連続」**でした。

山頂の宿が火事になり、ご来光は叶いませんでした。 それは正直、本当に悲しかったです。

でも、だからこそ、一瞬の車窓も見逃したくなかった。 旅はいつも、計画どおりにはいきません。 それでも、その場で手に入るものを全力で味わう。 それが、私が旅先で見つけた、旅のいちばんの贅沢かもしれません。

山頂駅に到着した瞬間、私は誰よりも先に列車を降りて、何十枚も写真を撮りました。 そして、そのあとはバスで静かに下山しました。

【↑画像:阿里山駅(山頂駅)到着時の記念写真】

あなたが次に台湾を旅するとき。 もし少しでも心が動いたなら、ぜひ「5時間」というぜいたくを自分に許してあげてください。

この列車は、ただの移動手段ではありません。 走る博物館であり、動く絶景であり、100年前の職人たちからのラブレターです。

チケット争奪戦は大変ですが、乗り越えたその先には、必ず「乗ってよかった」と思える景色が待っています。

あなたの旅が、私の旅と同じように、一生忘れられないものになりますように。

旅するKIKOでした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
今後も旅の情報ともに動画作成の失敗談も書いていきます。どうぞよろしくお願いいたします!

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この記事を書いた人

こんにちはKIKOです。60歳まで猛烈に仕事人間だった私が、60歳にふらっと行った一人旅が面白く、自由旅行に目覚めました。
個人手配の海外旅行は知識不足でトラブルだらけ、鉄道の予約に苦しみ、買い物をすれば時にはボッタクリにあい、街ではスリの経験も、旅に行けば毎回、何かしらのピンチの連続です。あとで思い返すとトラブルこそ笑える楽しい思い出です。私の失敗も含め旅の情報をブログで発信していきます。
旅行を趣味にして十数年になり、少しは旅慣れてきました。自由旅行の楽しさ、お得な航空券の探し方、自分にあったホテルの見つけ方、現地でのツアー選びなど、旅の魅力をお伝えできたら嬉しいです。旅行を通して元気でワクワクするシニアライフを目指します。

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