
パリからモン・サン・ミッシェルへは、直線距離で約360km。東京から大阪の途中くらいまでの距離があり、気軽に行ける場所ではありません。行き方は大きく分けて3つあります。(1)直行バスツアー、(2)特急列車(TGV)+路線バスの個人手配、(3)レンタカーです。
私は(2)の列車+路線バスで行きました。この記事では実体験をもとに、それぞれのメリット・デメリットと、どんな方にどの行き方が向いているかを解説します。
結論 どんな人にどの行き方?
| こんな方 | おすすめの行き方 |
|---|---|
| 乗り換えが不安・日帰りで楽に行きたい | 直行バスツアー |
| 朝焼け・夕日・朝もやの絶景が見たい | 列車+路線バス+対岸で1〜2泊 |
| 座りっぱなしが苦手・途中の街も楽しみたい | 列車+路線バス |
| 運転に慣れていて家族・グループ旅行 | レンタカー |
選ぶ前に、まず「日帰りにするか、泊まるか」を決めてください。日帰りツアーの現地滞在は午前11時〜15時ごろの3〜4時間だけ。モン・サン・ミッシェルがいちばん美しい朝焼けと夕日の時間帯には、日帰りではいられないんです。絶景が目的の方は宿泊が前提になるので、必然的に個人手配(列車+路線バス)になります。朝焼け・夕日の時間やスポットは別記事「モン・サン・ミッシェルの朝焼け・夕日は何時?」をご覧ください。
(1)直行バスツアーで行く

直行バスツアーのメリット
- 乗り換えの不安がない
パリからモン・サン・ミッシェルまで乗り換えなしで直接向かえます。列車の乗り過ごしや、乗り換え場所で迷う不安がありません。到着地までバスで寝ていられるのも大きなメリットです。荷物の移動もないので、重い荷物がある方には安心です。 - ガイドの解説つき
バスツアーにはガイドが同行することが多く、車中でモン・サン・ミッシェルの歴史や観光スポットの解説を聞きながら向かえるので、事前の知識がなくても観光を深く楽しめます。ただし英語ガイドに比べて日本語ガイドは割高になることがあります。 - 予定が立てやすい
現地到着から出発までの時間があらかじめ決まっているため、食事や観光の計画が立てやすいのも魅力です。
直行バスツアーのデメリット
- 自由時間が制限される
ツアーのスケジュールが決まっているため、個人旅行に比べて自由度が低く、気に入った場所で長時間滞在するのが難しいです。朝焼けや夕日の時間帯には滞在できません。 - 移動時間が長い
バスでの移動は片道約4〜5時間。列車と比べると移動時間が長めで、車窓も高速道路なので変化が少ないです。座りっぱなしが苦手な方には向きません。 - 観光シーズンには混雑する
バスツアーは観光シーズンには混雑し、出発時間や立ち寄り場所も同じようなところになります。現地では日帰り客が集中する昼の時間帯の滞在になるため、島内はどこも大行列です。
直行バスツアーは、KKdayとKlookどちらでも予約できます。
(2)列車(TGV)+路線バスで行く

【↑画像説明】パリからレンヌまでノンストップで到着しました
パリのモンパルナス駅から高速列車でレンヌへ(約1時間半)、レンヌ駅前のバスターミナルからモン・サン・ミッシェル行きの路線バスに乗り継ぎます(約1時間10分)。私が乗ったのはTGVの格安版「OUIGO(ウィゴー)」。朝6時48分にパリを出発し、8時16分にはレンヌに着きました。
列車+バスで行くメリット
- 移動時間が短縮できる
パリからレンヌまでの高速列車は約1時間半で到着します(私が乗ったOUIGOは1時間28分でした)。レンヌからの路線バスも1時間10分ほどです。乗り換え時間を含まない移動時間で見るとバスより短いので、座りっぱなしの疲れは軽減されます。 - 列車の快適さ
TGV(フランス高速鉄道)は座席が広く、車内も快適なので、長時間の移動でもリラックスできます。トイレ設備や飲み物サービスもあり、私は車内で持ち込みのサンドイッチとコーヒーで朝食を食べながら移動しました。 - 景色を楽しめる
TGVはフランスの田園風景を車窓から楽しめます。リラックスして美しい風景を見られるのは列車ならではの魅力です。 - レンヌでの自由時間
レンヌで乗り換え時間があるため、その間に短い観光や食事を楽しむこともできます。レンヌは訪れる価値がある街なので、レンヌでの1泊もおすすめです。
列車+バスで行くデメリット
- 乗り換えが必要
TGVをレンヌで下車してモン・サン・ミッシェル行きの路線バスに乗り換えなければならないため、不安を感じることがあります。特に荷物が多いと、乗り換えの際に不便を感じます。 - バスの発車時間に合わせなければならない
レンヌからの路線バスは定期的に運行されていますが、時間に合わせて行動しなければならないため、スケジュールに余裕がないときに焦ることがあります。 - バス移動が長い
レンヌからモン・サン・ミッシェルまでは路線バスで約1時間10分。生活道路を走り、村の中で頻繁に停車するので、道路状況によってはもう少しかかることもあります。ただし、車窓から見えるフランスの田舎の日常は、私にはむしろ楽しかったです。
失敗談 発車前のホームを走った話







実はこの騒動、乗車券の読み間違いが原因でした。旅行者が陥りやすいポイントをまとめておきます。
- 車体や乗車券にある大きな「1」「2」は座席クラス(1等・2等)の表示。号車番号ではない
- 号車番号は乗車券の「Carriage」(フランス語表記なら「Voiture」)の欄で確認する
- 2本の列車を連結して走る便もあり、号車が「1〜8」「11〜18」のように途中で飛ぶことがある
- 連結部分の中はつながっていないため、号車を間違えるとホームに出て歩き直すしかない
- モンパルナス駅は発車2分前にドアが閉まるので、乗車は余裕をもって
フランス語が不安でも大丈夫だった話
フランスでは英語が通じないとよく言われ、停留所のアナウンスもフランス語でした。私はiPadのメモに、フランス語と英語の2行で「Je veux descendre à “Beauvoir la Grève”.(ボーヴォワール・ラ・グレーヴで降りたいです)」と書いて用意しておきました。チケットを買うときに窓口で見せ、バスに乗るときには運転手さんにも画面を拡大して見せました。おかげで目的の停留所に着いたとき、運転手さんが声をかけてくれましたよ。もちろん紙のメモでも大丈夫。言葉に自信がなくても、メモ1つあれば乗り切れます。

実はこのバス停の名前は、予約後にホテルへ英語のメールで問い合わせて教えてもらったものです。「運転手にBeauvoir la Grèveで停めてもらえば、ホテルまで50メートルですよ」と親切な返事がありました。対岸のホテルに泊まる方は、事前にホテルへ最寄りのバス停を確認しておくと安心です。
(3)レンタカーで行く
私は利用していませんが、海外での運転に慣れている方や、家族・グループでの旅行なら、レンタカーという選択肢もあります。荷物や時間を気にせず動ける反面、フランスは右側通行で、パリ市内の運転は交通量も多く難易度が高めです。運転に自信のある方向けの方法です。
私の知人はフランスの田舎町をレンタカーで巡っていると聞きました。のどかな田舎道は走りやすいイメージがあります。気に入った場所で車を停めて、好きなだけ景色を眺められるのは、レンタカーならではの贅沢な楽しみ方でしょうね。

予約方法と費用の目安
TGVのチケット 旅行前に日本からネット購入
私は旅行前に日本から、鉄道予約アプリ「トレインライン(Trainline)」で購入しました。日本のクレジットカードで円建て決済ができ、eチケットが届くので受け取りの手間もありません。主な予約サイトはこの3つです。
- SNCF Connect(フランス国鉄公式) 予約手数料なし。英語表示に切り替えられます
- トレインライン(Trainline) 私が使ったアプリ。操作が分かりやすく、円建て決済OK(少額の手数料あり)
- Omio(オミオ) 日本語表示に対応した予約サイト。初めての方にいちばん親切です(少額の手数料あり)
私の実費は、格安版OUIGOでパリ→レンヌが28ユーロ(座席指定はプラス500円ほど)、帰りのレンヌ→パリが38ユーロでした。通常のTGVも早割なら片道24ユーロ〜。ただし「早く買えば安い」とは限らないのが要注意な点。飛行機と同じ変動料金制で、繁忙期や人気の便は日程によって大きく上下し、1週間ずらすだけで料金が倍近くになることもあります。全席指定なので、チケットを買えば席の心配もいりません。日程が決まったら早めに料金をチェックし、候補日を1〜2日ずらして比べてみるのがおすすめです。
一つ注意点。OUIGOは飛行機のように乗車前のチケットチェックがあり、発車5分前に締め切られます。モンパルナス駅では発車2分前に車両のドアが閉まるので、時間に余裕をもってホームへ向かってくださいね。
パリ→レンヌの列車はどれくらい走っている?
| 始発 | 6時台前半(私は6:48発に乗りました) |
|---|---|
| 本数 | 直行の高速列車だけで1日約15本(日によって増減あり)。日中はおおむね30分〜1時間に1本 |
| 最終 | 23時台 |
| 所要時間 | 直行で約1時間25分〜1時間45分 |
| 列車の種類 | TGV INOUI(通常版)とOUIGO(格安版) |
朝いちばんの列車に乗れば、午前中にモン・サン・ミッシェルに着けます。日帰りも不可能ではありませんが、バスの本数が限られるので、泊まりでゆっくりがおすすめです。
※2026年7月時点の目安です。日にちによって変わるので、予約サイトで実際の時刻をご確認ください。
路線バスのチケット レンヌのバスセンターで当日買えました
レンヌからの路線バス(ケオリス社)のチケットは、私はレンヌ駅のバスターミナルの窓口で当日に購入しました。駅に着いたら「Gare routière(バスターミナル)」または「Espace KorriGo」と書かれた案内表示に従って進みます。切符売り場には整理券を出す機械があるので、「Mont-Saint-Michel」のボタンを押して整理券を取り、順番が来たら窓口へ。ここでも、バス停名を書いたメモを見せるだけでスムーズに買えました。
バスは本数が少なめです。私が利用したときはレンヌ発が1日3本(8:45/10:45/12:45)、モン・サン・ミッシェル発の帰り便も3本(10:00/17:00/18:00)でした。列車の到着時刻とバスの接続を、予約前にセットで確認しておくのが大事です。最新の時刻表は運行会社の公式サイトで確認できます。
現在は、運行会社ケオリス社の公式サイト「Destination Mont Saint-Michel」からオンライン予約もできます。料金は片道15ユーロ〜、往復25ユーロ〜。観光シーズンは満席になる便もあるので、日程が決まっている方は事前のオンライン予約が安心です。
修道院の入場チケット 事前購入が安心

島の頂上にそびえる修道院の中に入るには、入場チケットが必要です。料金は大人16ユーロ(4月〜9月)、10月〜3月は13ユーロ、18歳以下は無料です。当日の券売り場は行列になることが多いので、事前購入がおすすめ。私は日本語で予約できるベルトラ(VELTRA)で、日本語オーディオガイドと島内マップが付いたプランを購入しました。ガイドを聞きながら自分のペースで回れて、歴史の理解がぐっと深まりますよ。公式サイトやKKday・Tiqetsなどの予約サイトでも購入できます。
当日券で入る場合、「チケット売り場の行列」→「入場の行列」の2段階で並ぶことになります。事前にネットでチケットを購入しておけば、チケット売り場の行列はスキップでき、入場の行列に並ぶだけで済みます。混雑期はこの差が数十分〜1時間以上になることもあるので、事前購入の効果は大きいです。
入場時間を指定して予約するタイプの場合は、現地到着から1時間以上の余裕をもって時間を選ぶのがコツ。島へ渡る無料シャトルバスは、混雑時は30分〜1時間待つこともあります。また、モン・サン・ミッシェル島内には手荷物を預ける場所がありません。スーツケースなど大きな荷物は、対岸の商業施設内にある有料の預かり所(数時間で3〜5ユーロ)を利用しましょう。
費用の目安(2026年7月時点)
| 項目 | 私の実費(2023年9月) | 現在の目安(2026年7月) |
|---|---|---|
| 高速列車 パリ⇔レンヌ | 往路28ユーロ+復路38ユーロ(OUIGO) | 片道24ユーロ〜(早割) |
| 路線バス レンヌ⇔モン・サン・ミッシェル | 片道15ユーロ | 片道15ユーロ〜・往復25ユーロ〜 |
| 修道院入場 | 日本語オーディオガイド付きプラン | 16ユーロ(10月〜3月は13ユーロ) |
| 対岸ホテル1泊(1名) | 約85ユーロ(ホテルローズ) | 時期・ホテルにより変動 |
私の場合、パリ⇔レンヌの列車往復66ユーロ(往路28+復路38)+レンヌ⇔モン・サン・ミッシェルのバス往復30ユーロ(片道15ユーロ×2)=交通費だけで合計96ユーロでした。この96ユーロには宿泊費(上の表の「対岸ホテル1泊」85ユーロ)は含みません。交通費と修道院の入場料を合わせると、1人あたり約100〜140ユーロ(約18,500〜26,000円)が目安。ここにさらに宿泊費と食事代が加わります。列車もバスも変動料金制なので、早めの予約が節約のいちばんの近道です。
※現在の料金は2026年7月時点のもの、1ユーロ=185円で換算しています。最新の料金は各公式サイトでご確認ください。
参考 私はこんな旅程で回りました(パリ発4泊)

- 1泊目 パリ 翌朝のTGVに乗りやすいよう、モンパルナス駅に出やすい場所のホテルに泊まりました
- 2泊目 モン・サン・ミッシェル対岸(ホテルローズ) 朝6時48分のOUIGOでパリを出発し、レンヌからバスで午前中に対岸ホテルへ。昼に修道院を見学し、夕日と朝焼けの絶景を満喫しました
- 3泊目 レンヌ 帰り道に1泊。中世の木組みの家が残る、訪れる価値のある街でした
- 4泊目 パリ 残りの日はパリ観光を楽しみました
モン・サン・ミッシェルだけなら「パリ→現地1泊→パリ」でも行けますが、帰りにレンヌで1泊はさむと移動がぐっと楽になり、街歩きも楽しめて一石二鳥でした。
ちなみに、私が泊まったホテルローズでは自転車を無料で貸してくれました。庭に10台ほど並んでいて、好きなものを選ぶ方式です。保証金の10ユーロは返却時に戻ってきて、チェーンキーもホテルが貸してくれます。ただしライトもかごもなく、整備も行き届いていないので、乗る前にブレーキやタイヤの確認をお忘れなく。自転車を使った島への通い方と絶景スポットは「モン・サン・ミッシェルの朝焼け・夕日は何時?日の出・日の入り時間とおすすめスポット」で詳しく紹介しています。
途中下車のすすめ 乗り換えの街レンヌの魅力
乗り換えのためだけに通り過ぎるのはもったいない。それがブルターニュ地方の中心都市レンヌです。私は帰り道に1泊しただけですが、「また行きたい」と思うほどこの街に惚れ込みました。
- 木組みの家が連なる旧市街 中世から続く木組みの家が370軒以上も残っています。上の階が通りに張り出した独特の形は、雨の多いブルターニュならではの知恵だそう。絵本の中に迷い込んだような街並みです
- リスの朝市(マルシェ・デ・リス) 1622年から続く土曜午前の市場で、フランス有数の規模。ブルターニュ自慢の食材がずらりと並びます。土曜にレンヌ泊なら必見です
- ブルターニュ高等法院 ヴェルサイユ宮殿と比べられるほど豪華な内装。1994年の火災から見事によみがえりました
- タボール公園 「フランスで最も美しい公園の一つ」と呼ばれる、バラ園が自慢の憩いの場所
- ガレットとシードル レンヌはそば粉のガレットの本場。焼きたてのガレットに地元のシードル(りんごのお酒)を合わせるのがブルターニュ流です
実際に降り立ってみると、中世そのままの街並みに一目惚れしました。駅を出てすぐ、他の街とは違う趣のある石畳の感触に心をつかまれたんです。滞在中は大聖堂を見学し、ガレット発祥の地とあって食べたガレットも絶品でした。おそらくどのお店で食べても美味しいのだと思います。もっと時間をかけてゆっくり観光したかった、というのが正直な感想です。

そして「また来たい」と思った一番の理由が、実は宿にあります。築500年という歴史ある建物の宿「Marnie et Mister H」に泊まったのですが、その滞在があまりに素晴らしくて、レンヌの街そのものの思い出以上に心に残りました。こちらについては、あらためて別の記事でじっくりご紹介しますね。

まとめ 私のおすすめは列車+路線バス
私は『列車と路線バス』がおすすめです。直行バスで長時間ずっと座りっぱなしは辛いです。トイレなど車内を動くことができるのと、乗り換えで身体を動かせたことが快適と感じました。その選択をしたおかげで経由地のレンヌという街を知り、素晴らしい体験ができました。レンヌの紹介は別のブログで発信いたします。
そして何より、個人手配なら現地に泊まれます。モン・サン・ミッシェルの本当の絶景は、日帰りツアーでは見られない朝焼けと夕日の時間にあります。くわしくは「モン・サン・ミッシェルの朝焼け・夕日は何時?日の出・日の入り時間とおすすめスポット」をご覧ください。
バスツアーが候補という方は、自分で移動することに不安を感じるかもしれません。でも、少し勇気を出して、列車と路線バスを組み合わせた移動に挑戦してみる価値は大いにあります。最初の一歩を踏み出すことで、きっと次回以降の旅行がもっと楽しく、自由に感じられるようになるはずです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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